街暦 #6
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
多くの人が注目したり関心を寄せたりするものに対して、あえてその中には入らずとも良いのではと思っています。皆が見ているのだから、見られている方からしたら、もう、十分すぎるほど十分であろうと想像する故です。
花が好きな人のステレオタイプは、花を贈れると嬉しい人のステレオタイプは、いつ頃なにをきっかけに、そのイメージを固定化したのでしょう。なぜ花はキレイなのか?と問われ「花は別にキレイではない。キレイな花だけを集めて花屋に並べているだけ」と答えた脳科学者の話をいつか面白く聞きました。品種改良など花は人間によって種を拡張し、花にしたらうまく遣り果せているわけです。
身近な、季節の花などに目をやり、数字だけでは表せないサイクルに意識を向けていますが、キレイさに思わず感嘆する真っ盛りの時期よりも、朽ちて枯れてゆく只中の方が好きです。強い「生」を感じます。
襟草丁より
街暦
text by Tei Erikusa
photo by Chikara Matsumoto
写真と書簡で往復する #往復写簡
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