往復写簡 #62
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 明白な違いには敏感で、大きな枠の括りの内に当てはまらないモノコトがどんな世界にも存在し、それらを、他者が好意的に捉えるか或いは嫌悪するか、若しくは当人がひた隠すか自慢気に語るかは状況によって様々で、ただ厳密を言えば同じは存在するのか...
往復写簡 #61
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん この狐面の、ぽっかりと空いた眼窩の奥底にひろがる、蒼さをのぞき込む。 いや、すっぽりと潜った瞳の彼方から放たれる、蒼い光が照らされるのか。 あの埴輪の様、銀毛碧眼の顔が凝視してくる、正体不明な黙音の圧がある。...
往復写簡 #60
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 標本や標本が陳列された空間に陶酔するのは、標本や標本が陳列された空間が秘密めいた匂いというか、独特の陰影を持っていて、モノへ向かう知的好奇心だけではない、他者を隔絶させ、知識を得る以外の空想を容易にする因子が放出されていて、ただこの...