往復写簡 #69
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さんへ ああ、やはり、ふしぎだなっておもう。どこかにいっていて、たそがれか、かはだれときに、くもとしょうじょならぬ、くものしょうじょたちの、あおざめたひょうじょうのアニメーションに、なにかをいうでしょう。おもいもがけず、あのたてものは、ぎ...
往復写簡 #68
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 目が合ったと思っているのは私の脳で、目が合ったかどうかも君の視界に何が写っているかも実は知り得ず、君はキミドリ色の体で、キミドリ色に満ち満ちた季節、その姿をその背景色に溶かしますが、ときどき誰かに見つかって、よくよく見ると君は愛くる...
往復写簡 #67
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん ブルーブラックな羽根が、無数の砂粒や礫を盤とした路上の針となって、曇天のアフタヌーンを告げた。或いは、ローアングルなまなざしを生きるだれかの道標となっている。なんだか、既視感があって、#67から#3へ、瞬間移動するような心持ちがする...