往復写簡 #74
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん わかるひとにはわかるが、わからないひとにはわからず、教えてもらえればわかるし、教えてもらわずとも周囲の反応から予測して答え合わせをして結果わかる場合もあり、そうして学習を繰り返し身体や思考をこの三次元になじませ、つまり記号の交換は必...
往復写簡 #73
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん シトロンの月はミカンの一房のよう、 アズールの空はスミレの砂糖漬けを溶かしたよう、 ミエルな家は南蛮菓子のよう、アズキの袴を履いたシベリアのよう、 インディゴな屋根はミルティーユのよう、エクリュな窓はビスキュイのよう、...
往復写簡 #72 (鎌倉にて)
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 椿は首斬り花とも言い、花の根元からぽとりと落ちて散りますが、私には、同じく花弁がはらはら散るではなく「首斬り」的に散るイメージに夏に花期を迎えるノウゼンカズラがあり、ただそのイメージは、ノウゼンカズラを嫌いと言った母の言葉が結びつけ...
往復写簡 #71 (鎌倉にて)
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん ひきがえるが独り、路で干涸びかけているところを通りかかったことがあった。 一旦は通り過ぎて引き返し、こんな状況に遭遇したからには、だれかがなにかをすべきではないのかという心持ちになった。...