往復写簡 #52
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 山と積まれた物物物を前に「詰まるところ資本主義ってどうなのよ」と疑問を呈しつつも、その山の中から一つ二つを手にとり購入する暮らしはシステムに巻き込まれたまま、今住んでいる場所からは建造物の先の先に山が望め、好天日は更に稜線際立ち「山...
往復写簡 #51
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん 空間の物体の形象は、人の目からの距離や見る角度の相対的な位置によって変化するのが、可視光線がまっすぐ進んで、物体と空間との境界を眺める地平線に、その表面が消えて見えなくなる輪郭として認識される。...
往復写簡 #50
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 時計など細々した構造のものを分解してみたくて、ただ元通り戻す自信がないので壊れてしまったものならば罪悪感は少なかろうと、動かなくなった機器の蓋を外し、否でも修理できる可能性は0ではないはず、直してみよう積極性は多少なりとも持ちつつ、...
往復写簡 #49
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん マンデルブロー博士に、報告したい。 日本の午後、日射しが照らす、幻のような紅葉にも素敵なフラクタルがあると。 海岸や野菜のかたちではなくて、まさしく、虫食い葉の破れ目の裂けた穴からのぞく向こう側、空との境界の集合だ。そこに、無から眺...