往復写簡 #40
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 月は不思議な存在です。 物心ついた時には(たぶん)既に月を月と認識していました。月はどこにいても月だと判断が可能で、古今東西さまざまな人と共有することができます。勝手気儘な感想を抱き、勝手気儘に思い入れ、他の天体との扱いの差を認めざ...
Layered by gift_ TALK 2021 [Visionary] 襟草丁×松本力
襟草丁と松本力は、「本と川と街」企画制作運営メンバーの一員でもある、gift_さんの出展作品 ”Layered” (現在を選書と対話で記憶するプロジェクト)に、それぞれの選書と、11月13日(土)のオンライントーク登壇で参加します。 ”Layered”...
街暦:Workshop
街を巡るアートプロジェクト「本と川と街」参加プログラム「街暦」の関連イベントとしまして、11月3日(水) に「往復写簡」のワークショップを開催します。 深川の街を散策しながら写真を撮影し、二人一組になって撮った写真について対話しながら一枚を選び、相手の写真に対して手紙を書き...
往復写簡 #39
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん I miss you.と。 遠く墨国の友人を想う時、瞼のうちに、彼女の輝ける表情と暮らしている街の風景を再生する映像を観る。存在の情報がどんな経路で伝わってくるのか、目の当たりにできないけれど、想像の中で、あの道の角を曲がれば、この...
往復写簡 #38
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 電線は、どこかの家に渡されてどこかの部屋を照らしています。神経細胞みたように張り巡らされ、多くの家に渡されて多くの部屋を照らしています。 白昼だったか夜だったか、電車に乗って、誰を注視するでもなく乗り合わせた人々を眺め、すべての人に...
往復写簡 #37
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん 差異、差違、差意?御茶の子さいさい。さいってなんだ。意味崩壊しかけている。 そもそも道に文字が書いてあるのは不思議だ。いや、これは文字なの。 橙色の矢印の上に、白色の矢印が書かれているのを見たが、なにを指しているのかわからなかった。...
本と川と街:街暦
Ari no Mi Projectは、街を巡るアートプロジェクト「本と川と街」に参加します。 UMUの頁で週2回更新している、映像(眼差し)と言葉(認識)が行き交う様を存在の記しとして、互いに撮影した写真に返信する「往復写簡」を「街暦」と題して、深川の町を撮影した写真とテ...
往復写簡 #36
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 矢印は古典的なユニバーサルデザインと思われ、不思議な力を持っています。 かなり過去の出来事。パウル・クレーの展覧会へ出かけ矢印が描かれた作品を見て、当時もやもやとした「気もち」を抱えていた私は、なにか、その矢印に導かれるような感覚に...
往復写簡 #35
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん 地にあって、どうして、空にはないものか。 砂利と石灰と水で箱や棒を型取り、線を真っ直ぐ引く。 電氣は火離火離と奔り、風は飛等飛等と螺子れ、 水雫は付和付和と割く、虚大な渦天を。 何もないのに、徴があるような、左様ならを告げる二つの眼...
往復写簡 #34
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 彼女は鳥が嫌いです。特に鳩への嫌悪感は酷く、姿を見つけた瞬間に彼女の目は泳ぎ、その場から一目散に逃げ出します。動物園では鳥類エリアに近寄らず、テレビ番組で鳥の映像が流れるとチャンネルを変えます。私ですら恐怖するヒッチコックの映画「鳥...