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街暦 #4


松本力(写真)←襟草丁(文)


松本力さん

沖縄の平和祈念公園を訪れた時、記録の写真を撮影しようとスマートフォンをかざしましたが、なぜか撮ることができませんでした。一枚も。画像に残すことよりも、記憶に焼き付ける方を選んだのかも知れません。無意識に。


デジタルツールの発達により写真撮影もその画像の確認も簡易になりました。被写体とデータになった画像とにズレがあれば、若しくは、リアルを飛び越えより自らのイメージに近づけたければ、いくらでも加工が可能です。脳が見ている映像を、或いは、脳が見たい映像を可視化でき、時にそれらを不特定多数と共有します。そんな主観に主観を掛け合わせるような作業から、他者に何を求めるのでしょう。否、そもそも求めていないのかも。時間とともに脚色されてゆく記憶と、見た映像を見たい映像に書き換える陶酔と。いずれにしても「わたし」から離れた瞬間に「わたし」の気配は消失し、残りません。微塵も。


襟草丁より


街暦

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text by Tei Erikusa

photo by Chikara Matsumoto


写真と書簡で往復する #往復写簡

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