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往復写簡 #48


松本力(写真)←襟草丁(文)


松本力さん


写真或いは画像には、当然、外側があります。見る人は、切り取られた内側しか知り得ません。しかし撮影者はその外側を知っています。レンズ越しに、残す残したい残すべき範囲を決めシャッターボタンを押します。切り取られた内側はある種、脚色された世界かも知れません。現実は外側にあり、生々しく、プライベートな世界であり、他者にあえて晒したくない空間である場合もあるでしょう。人工的な日常の羅列は暴力性を孕み、時に誰かの精神を消極的な環境へ追い込んでいるようです。自律性を維持する秘訣は、想像不可能な見えていない世界と、概ね想像可能な見えていない世界と、無数に存在する無関係の世界を、無意識裡に時に意識理裡にそういう世界が存在するという感覚を充てがいながら、何らかの作為を持った内側を眺めることです。


その赤色は自己顕示欲でしょうか。それより、天井の魚の話がしたい。


襟草丁より


text by Tei Erikusa

photo by Chikara Matsumoto


写真と書簡で往復する #往復写簡


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