往復写簡 #74
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
わかるひとにはわかるが、わからないひとにはわからず、教えてもらえればわかるし、教えてもらわずとも周囲の反応から予測して答え合わせをして結果わかる場合もあり、そうして学習を繰り返し身体や思考をこの三次元になじませ、つまり記号の交換は必要不可欠で、汎用性があったり普遍的であったり限定的であったりするが必要不可欠で、他方で、太古の歴史のあばら骨が地表に現れたかと誤認した直後に否否これは現代の記号だと修正するような例も日常茶飯事、ただいつかこの白線も大昔の謎の産物になって不可解さゆえにとりあえず「呪術的」に分類されたりするのだろうか、個体はどれだけ自己を拡張させても袋小路であるが、未来には、君の世界と繋がったりするのだろうか、他者の認知や知覚に直に触れた時、私は、私の知覚と認知との差に平静でいられるだろうか、いつか離脱するーーかもしれないーーこの袋小路の出口にはまだまだ紗がかかっている。
襟草丁より
text by Tei Erikusa
photo by Chikara Matsumoto
写真と書簡で往復する #往復写簡
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