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往復写簡 #40


松本力(写真)←襟草丁(文)



松本力さん


月は不思議な存在です。

物心ついた時には(たぶん)既に月を月と認識していました。月はどこにいても月だと判断が可能で、古今東西さまざまな人と共有することができます。勝手気儘な感想を抱き、勝手気儘に思い入れ、他の天体との扱いの差を認めざるを得ない特別な存在です。


だれかもこの月をみているだろうか。


一日・ひと月・一年の周期を昼夜や数字で廻るように、月の満ち欠けの周期も同様に身近に感じていたい。それをどう日常に取り入れるか考えた末、満月の日にキッシュかタルトを作って食べることにしました。つまり、まるいもの。つまり、食卓にのぼる月。食の習慣と組み合わせることで容易に暮らしに馴染み、もう、かれこれ7年続いています。


今年の中秋の名月は満月と重なりました。8年振りだそうです。


襟草丁より


text by Tei Erikusa photo by Chikara Matsumoto 写真と書簡で往復する #往復写簡


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