往復写簡 #26
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
三点倒立を日課にしています。ただ、午前中の空腹時と決めているので、日によって出来なかったり忘れたり。ゆえに、この日課は極めて緩い。今のところ、大きく息を吸って吐いてを40呼吸ほど繰り返して終わらせていますが、目標は50呼吸から60呼吸、だんだん軸も安定してきて近い内に達成できそうです。いつの頃からか身体左右のバランスのちぐはぐ感が拭えず、自律神経も乱れている気がしていてならず、全身の細胞を等しく刺激し且つ精神を弛緩させるべく自らの天地をひっくり返しています。頭頂部が全身の重みでゆっくりと押され、血液が降りてくる感覚が非常に心地よいです。
「体」はつまり「殻」で、時にこの殻から解放されたいと思うのは、重力から解き放たれたい願望なのでしょうか。日常呪縛のごとく背負わされている重力に逆らうこの数分間、別次元の身体性とも解釈できる快感は、しかしこの馴れの上にこそ成り立ちます。
襟草丁より
text by Tei Erikusa photo by Chikara Matsumoto 写真と書簡で往復する #往復写簡
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