町を掘る #8
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
夜のベンチで珈琲を淹れて、街灯に照らされた樹木を見上げて香りに癒されながら現実離れをしてみたい、と思うことがあります。
日々の暮らしで市販品のパンと菓子類を買わなくなって久しく、基本消費のペースに合わせて作る日々。大概のものは作れることが分かってきました。手法が増えるほど我流も増え、思考し工夫し無駄なく食べ尽くすために行為する時間は、それ自体の連鎖を、上昇するような連鎖を育んでいるようです。
さて、夜のベンチで嗜む珈琲には何を合わせるべきか、非日常への没入感を味わうには非常に重要な問題です。様々な具材を層に重ねたサンドイッチかスパイスを効かせた洋菓子か。ささやかな願望ですが、ただ、いつでもできそうなことは、逆に、実現化しにくいものです。
襟草丁より
text by Tei Erikusa
photo by Chikara Matsumoto
写真と書簡で往復する #往復写簡
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