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往復写簡 #8


松本力(写真)←襟草丁(文)



松本力さん


日本文化のひとつ「見立て」。なにかをなにかになぞらえる表現方法で、例えば和菓子の名に見られ、お萩や水無月などの行事菓子の名は身近な「見立て」と思います。節気や暦と結びつき、従ってその季節の光景を容易に想像することができます。ちなみに人の名も本来はそういうものであったとか。私が表現する上でも「見立て」の思考法は重要で、対象を分解し深く洞察することで「見立てる」対象が浮かび上がってきます。つまり、もともとの対象は最早そこには存在しませんが、文脈としては存在すると言えます。


飼いはじめてかれこれ10年ほど経つアカハライモリの名は、つくし。土筆のつくしです。事前情報では壁を這うのが得意なので脱走に注意とありましたが、その心配とつくしは無関係、水槽の壁面を這うのがつくづく下手で、挑戦してもすぐ水に落ちてしまいます。ぽちゃん、と。その手足の先は花蘂のようです。


襟草丁より


text by Tei Erikusa photo by Chikara Matsumoto 写真と書簡で往復する #往復写簡


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