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往復写簡 #23


襟草丁(写真)←松本力(文)



襟草丁さん


あの、ひまわりのうしろすがたか。

うなだれる、うしろあたまに、ありがひとり、のぼってゆくか。

きんこつりゅうりゅう、あおいさんみゃくをめざして、ひとりのぼり、しぐれてゆくか。

きょだいな、すたじあむにいどむ、せんしゅのなみだがちいさくみえる。

あおいうまのくびに、ぺいるらいだーがまたがる。

そのたてがみがなびくように、いきているうちから、しがせなかにしのびよる。

けんめいにつくっているさなかにも、はいきょのすがたがうかびあがる。

かれゆくいろに、うつくしさがのこる。

うしろあたまを、まちでみる。

うしろあたまに、そうぞうがつたわる。

こころのしんぱくが、からだのしんぷくと、ときのしんどうに、だれかれなしの、しんじつみがある。

そのだれかがおもう。

あやまってほしくない。

わすれてほしくない。

きみがいなくてさみしいと。

たぶん、そのことを、おたがいにしらないままに、みらいはかこにある。

ほんとうに、じかんにはあとさきがない。


松本力より


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