往復写簡 #19
襟草丁(写真)←松本力(文)
襟草丁さん
おぼえていますか、青いデザイン定規（スピログラフ）のこと。
向日葵を黄色いぐるぐるで描いたような気がするから、サイクロイド曲線だとおもったら、フィボナッチ数を一辺とする正方形が隣り合う黄金長方形の、右回りに３４本、左回りに２１本のぐるぐるで描き出す、黄金螺旋だった。２１を３４で割れば黄金比率となって、３６０度に０．６１８を乗じた角度で、中心から小花、種が配置されてゆく。だから、黄金色なの？
忘れえぬ映画の場面で、鉄棒で逆上がりを練習する少女も日本も世界も地球も太陽系も、どんどん膨らみゆく向日葵に呑みこまれながら、ほわんと弾けて消えるのを思い出した。そうか、既に、宇宙全体を描き出す設計図が、時空間の可逆的な螺旋形で在って、中心から生成されるエネルギーの形なのね。あれ、ミステリーサークルにもあったかな。
そういえば、友だちになりたいのかなと想った、親しげな一匹のアブとぐるぐる踊ったことを思い出すよ。
松本力より
text by Chikara Matsumoto photo by Tei Erikusa 写真と書簡で往復する #往復写簡 #matsumotochikara #松本力 #erikusatei #襟草丁 #arinomiproject #無 #umu #なぜなにもないのではなくなにかがあるのか #whynotnothing #存在 #眼差し #時空 #過去 #現在 #未来
