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往復写簡 #15


襟草丁(写真)←松本力(文)



襟草丁さん


しろいはなひら。

くろいはなひら。


我先の日に、花ひらひらの段差ー。

紫の陽に、端ふらふらのダンサー。


管理された野生の後悔と蜜の味。

甘露で煮た野草の高貴な未知の味。


こんな群青色のスミレの砂糖漬けが好きだった。

なんかいいことあったときしか食べれなかった。


水彩で描いた絵の裏に、滲み出た斑点と完全に一致。

水際に咲いたヱの空に染み出た反転が煥然なニッチ。


ねらってあたってど真ん中で弾ける王冠踊りのスローモーション。

寝るってあたわずどう真夜中の端ける感応大通りをゆっくり猛進。


植物はいろんないろやかたちで発現するんじゃない。

蝶々も幾重の羽や紋で舞い踊るのがいいんじゃない。


二枚のバタ付きパンで飛びまわる。

二間のバタフライ効果で舞い踊る。


この暑さにぱたぱた扇ぐの超辛い。

この厚さでばたばた仰ぐは蝶番い。


アザミを挟めば丁丁発止。

あざとくみれば超超発散。


手と手をてふてふ。

目と目でむをまう。


ちいさいころ。

やさしいころ。


どこまでいけるのでしょう。

そこから帰れるのでしょう。


寝静まった部屋でぬきあしさしあし。

ねえ鎮まった平野で温もりさしだす。


途中下車ばかりで、目的地につかない。

十宙の藝者は仮で、無目的に尽きない。


この受信機は、未だ、還ろうとしているんだから。

今夜送信機は、今だ、変えようとしてるんだから。


朝がおきて夜のねむるまで、いつも考えていました。

明日がきて昨日と終るまで、いつもおもってました。


移ろう身体は、少なくとも五十回の前世で女性だけだったらしい。

虚ろな身体は、過ごすとも後述懐の今世に特性を無くしたらしい。


もはや、感情が上ったり下ったり、気分が高揚するのは、

気分だけに越境していって然るべきか。

いんや、環状に登ったり降ったり、自分が移動するのは、

自分だけの駅からであって然るべきだ。


こうなったら、終点までいってみようか。

そう、いけるところまでいってみようか。


歌にあったっけ、静かに散った。

もう、恋なんかしたくないのさ。


嘆いていたっけ、傷心に想った。

そう、恋なんか超新星の残骸さ。


さようならば、はじいることも、あるのかな。

さよならから、はじまることも、あるんだよ。


松本力より


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