往復写簡 #10
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
市民農園で野菜づくりを始めて久しく、植物という植物が旺盛になるこれからの時期は定期的な草取りが欠かせず、毎年、山羊がいればと思います。可燃ゴミにならず、山羊の腹も満たされ一石二鳥、なのですが。
家庭菜園一年生の頃はひたすらに知識を得るところからでしたが、次第に考え方も付け加えられ、つまり、収穫が第一の栽培ではなく、大きな大きな自然の中の一部分として作物を育てる仕組みを実践したくなりました。例えば、作為しない土づくり、植物同士の相性、緑肥、輪作、など。とすると「雑草だ」と区別して片っ端から抜くのも違う気がしますが、借りている場所ゆえに実験するにも制約があり、そこが悲しいところです。
馬込はそのむかし牧草地だった、とか。
来たる真夏は、強い日差しを背に帽子のつばを影にして地べたに迫る勢いで草むしり。脳裡は心地よく空ッポになってゆき、太陽の熱と土の匂いと草の匂いと単調作業の癒しに恍惚として、ゆれる。
襟草丁より
text by Tei Erikusa photo by Chikara Matsumoto 写真と書簡で往復する #往復写簡
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