町を掘る #6
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
私にとっては「止まれ」でも、誰かにとっては「進め」である状況。いちいち説明せずともされずとも共有しているルールはあらゆる場所で機能しています。言語や人種に左右されず越境する仕組みは一体どう広がったのでしょうか。
それはさておき、誰しも常に何かに縛られています。抗いたい縛りもあるでしょう。自らが解き放たれたいがために他者を傷つける可能性がある縛りもあるでしょう。ただ、闇雲に自由を叫ぶのは浅はかさを露呈するだけであって、前提条件なしの自由はありえず、対局にある存在を受け入れて初めて本質が見えてきます。
横断歩道の白線だけを踏んで渡れるか、とか、縁石の上を落ちずに歩いて落ちたら減点、とか、くだらない縛りを課して遊んでみるのは、無意味で馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、そんな無駄の中にこそ創造性が在ります。
襟草丁より
text by Tei Erikusa
photo by Chikara Matsumoto
写真と書簡で往復する #往復写簡
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