町を掘る #1
襟草丁(写真)←松本力(文)
襟草丁さん
町を掘るという比喩の抽象性について、この町での「往復写簡」の観点「過去を呼び覚まし、未来を見据えるように、この場所性を眺める」コトを共有した。然し、未だみえない関係性において、どんなヒト・モノ・コトをみようとするのか。夏の終わりの暑かった日、甚だ不透明だった。
ぼくになんらかの見立の能力があるとしたら、これから先に待っているのは、おこりえるかもしれないモノではなくて、いままでにあったかもしれないヒト、おこりえたかもしれないコトだと考えていきたい。
そういう風に歴史と個人の記憶を多層的に重ねていく。テレビドラマで一瞬みた場面の「明日もまたここで会えるかしら」「明日なんて、まだ概念でしょう?」という会話に、この脚本家もそんな不確定期限を眺めているのかなとおもう。
ある日、どんな理由か経緯で地面に横渡るか知らないけれど、蒼い空を仰ぐ視界に、こんな草花たちがのぞき込むのをみるだろう既視感がある。
松本力より
text by Chikara Matsumoto
photo by Tei Erikusa
写真と書簡で往復する #往復写簡
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