往復写簡 #42
松本力(写真)←襟草丁(文)
松本力さん
空想ならば地の果てが断崖絶壁で構わないし空が誰に支えられていても構いません。しかし、船に乗れば水平線は飛行機に乗れば地平線は弧を描いているし、普段、回転する球体上に暮らしていることは事実とあれど体感しにくいですが、明るい時間と暗い時間が交互に訪れるグラデーションの中に存在していて、それが回転を想起させるのは確かです。
森羅万象各々に各々の周期があり、種によっても種の中の個によっても様々です。わたしのサイクルの当然とあなたのサイクルの当然は異なっていて、わたしのサイクルがあなたのサイクルへ接続しようとする時には想像力が必要です。なぜなら、わたしの社会的現実の複製をあなたの社会的現実に貼り付けることは現状不可能だからです。
回転しながら変化してゆくその力学によって、何を取り込み何を手放すかは任意ですが、いずれにしても更新される選択でありたい。
雲が流れてゆきました。空は今日も廻っています。
襟草丁より
text by Tei Erikusa photo by Chikara Matsumoto 写真と書簡で往復する #往復写簡
#erikusatei #襟草丁 #matsumotochikara #松本力 #arinomiproject #無 #umu #なぜなにもないのではなくなにかがあるのか #whynotnothing #存在 #眼差し #時空 #過去 #現在 #未来
Comments