往復写簡 #15
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん しろいはなひら。 くろいはなひら。 我先の日に、花ひらひらの段差ー。 紫の陽に、端ふらふらのダンサー。 管理された野生の後悔と蜜の味。 甘露で煮た野草の高貴な未知の味。 こんな群青色のスミレの砂糖漬けが好きだった。...


往復写簡 #14
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 非日常的な移動は特に逃避と妄想に拍車をかけます。 耳慣れない地名の響きに惹かれ、いっそ、終点まで乗っていようか脳裏をよぎる誘惑。隣に座った男が実は平行宇宙の住人である可能性を100%にできる想像の自由。...


往復写簡 #13
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん なつかしい匂いがする。陽のあたる風のなか、空をゆく鳥のこえに。 たとえば、墨国から鳥取に飛んできて、いまは、家で一息つきながら、今日みるものを、明日はもうみることがない、鳥もいた。そもそも、昨日まではどこにいたのだろうか?...

