往復写簡 #18
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 存在や世界について問えば問うほど、曖昧さに拍車がかかり、宵のグラデーションのように蒸発してゆくようです。わたくしという背景が認識している景色は、解釈は、真実とも嘘とも言い切れず、ただ世界はそこにあって、ただ世界はそこにはないと言わざ...


往復写簡 #17
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん みえないなにかがもやもやとたちのぼってゆく。 富士の、不二の、不死の山の頂で、月の子が残した思い出を燃やす煙は立ち上り、いまでも、その霞がたなびく荒凉とした山肌には、その目撃者である鉄塔の位置に、一本の木の陰影があって。...


往復写簡 #16
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 足元の茂みに螺旋構造のおもしろい花を見つけました。おもしろさをしげしげ眺めていた翌日に偶々その花の名を知り、さらにおもしろさを噛み締めました。 ゴボウの種を蒔いたら、フキが生えてきました。無論フキが生えてくるはずはありません。調べる...
