往復写簡 #33
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん 夕暮れは、カレーではなくて、可憐な夕化粧の香りが町に漂う。 遥々と南の国から江戸の町に来たけれど、虫や蝙蝠が少ないから、自家受粉するようになったの? ごつごつした小さい甕か柘榴みたいな黒い種を、なんだか宝物のように大事にとっておいた...


往復写簡 #32
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん どうしたら自転車に乗れるのか、説明は難しい。というか、説明できません。動作としての説明はできますが、あの全体的に平べったい様々なパーツが組み合わされた器具の、ハンドルを掴んでサドルに座ってペダルを漕いで車輪を回転させて、しかしどうバ...


往復写簡 #31
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん 母が若い頃、庭に桃の木が1本あって、その実は先が尖っていて、いまでも忘れられないぐらい、美味しかったとのこと。それは、たぶん、中国の「毛毛(もも)」で、昔話の桃太郎に描かれているような、孫悟空がぬすみぐいした蟠桃園の仙果…ではないだ...

