往復写簡 #36
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 矢印は古典的なユニバーサルデザインと思われ、不思議な力を持っています。 かなり過去の出来事。パウル・クレーの展覧会へ出かけ矢印が描かれた作品を見て、当時もやもやとした「気もち」を抱えていた私は、なにか、その矢印に導かれるような感覚に...


往復写簡 #35
襟草丁(写真)←松本力(文) 襟草丁さん 地にあって、どうして、空にはないものか。 砂利と石灰と水で箱や棒を型取り、線を真っ直ぐ引く。 電氣は火離火離と奔り、風は飛等飛等と螺子れ、 水雫は付和付和と割く、虚大な渦天を。 何もないのに、徴があるような、左様ならを告げる二つの眼...


往復写簡 #34
松本力(写真)←襟草丁(文) 松本力さん 彼女は鳥が嫌いです。特に鳩への嫌悪感は酷く、姿を見つけた瞬間に彼女の目は泳ぎ、その場から一目散に逃げ出します。動物園では鳥類エリアに近寄らず、テレビ番組で鳥の映像が流れるとチャンネルを変えます。私ですら恐怖するヒッチコックの映画「鳥...

